SHINの歌を聴け

どーも、ライターのはなまるです。

とある日。僕はいつものようにYouTubeを音楽を聞くサイトとして利用していた。僕は指を動かし、右手に光るディスプレイを操作していた。

Googleの作り出したこのシステムはまた厄介なものを見つけてきた。

「瞳の住人 cover

やれやれ。また素人が歌うことでhydeの歌を汚すのか。

俺は失望と怖いもの見たさの感情に支配されながら画面をタップした。

やれやれ。カラオケではなく、マイクで音を録っていることだけは評価する。僕はイントロ部分を見ながらそう思った。

この世にはカラオケ音源をそのまま垂れ流す著作権という概念がそのまま抜け落ちているYoutuberと、自ら設備を用意するYoutuberの2種類がいる。

どちらかが好きかと言われれば俺は後者を選ぶだろう。否、前者を選ぶ理由などない。

すまない。少し前置きが長くなってしまったね。

「所詮、YouTubeなどという烏合の衆が投稿したcover動画に完璧な”瞳の住人”なんて存在しない」

と僕は思っていたんだ。

そう。Aメロが始まるまで。

「あなた、Aメロ聞いてどう思った?」

彼女が僕に問う。

「そうだね。悪くないよ。」

「ふふ、私もよ」

彼女がそう言って、笑いを顔に貼り付ける。

「問題はサビさ」

僕はそう言って、画像の連なりである動画を眺める。

瞳の住人。LArcenCielの中でも最高音hihiAを奏でる楽曲。

hydeってすごいわね。男なのにそんなに高い音が出るなんて」

「違うよ。彼は人間じゃなくてヴァンパイヤさ」

彼女は僕のくだらない冗談にも笑顔で応える。

そう。僕が聞きたいのは最高音を完璧に奏で出す『瞳の住人』なんだ。それ以外は何もいらない。

僕たちは「瞳の住人 cover」すべてを聞き終えた。

「満足そうね」

「ああ、最高だったよ」

「今俺は」

どんな顔をしてる?

彼女に問いかける。

「そうね。私とのセックスの後みたいよ」

僕は彼女から視線を切る。

「ところでこれを歌ってる人の名前は何て言うんだい?」

「あら、あなた大好きだったでしょう?一緒にライブにも行ったわ」

僕はわずかばかりの驚きの表情を顔に浮かべ彼女を見る。

「元ViViDSHINよ」

 

P.S昨日ノルウェイの森読みました。

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